生徒会長の言う通り
ガラガラっ

保健室の独特の匂い。
薬の匂い。


…誰もいないか、


少し緑のかかったカーテン目立つ色はしていない。
カーテンを開けると


白のベット。


勢いよくダイビング。





『ん…』


すぐに、眠りに落ちた。



深い深い眠りに。




何時間たっただろう。



身体がスッキリしていている。


あ、、家に携帯忘れた。




ゴソゴソとポケットを探っても携帯が出てこなかった。




んー、いま何時間なのかわからないじゃないか。




その時




『~!はぁ…はぁ』



誰かの声、息。



聞いたことがある。



ガラガラっと勢いよく開く保健室のドア。

ん?誰か来た?




一体誰だろうとカーテンから覗こうとする前にあちらの人が早くも私のカーテンを開ける。


ガラガラっ。

『新垣先生~?あれ?居ると思ったんだけど。カーテンに隠れてる?』


しゃーーっと、カーテンが開けられる。


『…』


『あ、間違えた。』




私が寝ているつもり。


そう、寝ているふり。




『ここじゃなかった、他探そ~』



私しか寝ていないと諦めついたのか、
違う場所へと捜し出した。




ピシャリと閉まるドアの音。



『ふぅ…助かった。
すまないな、会長。』



『私は助けたつもりはありませんでしたよ。黙っていたし。』


ぷはっと、布団の中から出てくる先生。



私は寝転がって新垣先生に背を向けた。




『助けたつもりなかったらそっこう"ここに居ます"って言えば良かっただろ』


ふっと、鼻で笑う。



『まぁ、恩返しはいつかしてやるよ会長。』

そして、コツコツと歩く音。
綺麗なキレのある。




『だから、私は会長じゃなく…』


『"琴葉"じゃぁな』

そう言ってポンポンと頭を撫でる。
優しく、

みんなから呼ばれている筈なのに先生に言われてキュンとなった。




胸が押し付ける感じ。
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