生徒会長の言う通り
ぴとっと、距離を縮めて
手の甲が当たり温もりを感じた




『…先生っ?』


冷静な琴葉が目を丸くして俺を見ている



『さみぃーなって。昔こんな時期にくっついて帰っただろ?してみたかっただけだ』



『でも…いまは、先生と生徒』



『昔は、昔。
いまは、いまっていうのか?』



『そのとおりです…。』


なんでだよ…
生徒だから、先生だからしちゃいけないなんて

近づくだけで
手の甲が肩が触れるだけ



…!!!

なに考えてるんだよ。


先生だ。
俺は先生の自覚を持てよ




『少しだけだから。』




俺は、琴葉の右手をしっかりと握り
欲を抑えることは出来なかった



情けなくて嫌になる



『…っ!
せ、んせい…。』



そう言っただけで、あとは、黙ってしまった



本当は嫌だとか言いたいんだろう。
ごめんな、俺自己勝手で




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