生徒会長の言う通り
手を繋いで15分


なかなか手を離すことが出来なくて
少しだけと言ったものの結局最後まで繋いで帰った




まぁ、嫌がなかったのが幸いで


とても、嬉しく感じた




『…あ、ありがとうございます
送ってもらい…』


『いや、別に』



ぎこちない会話で思い通りには進まない



1つ気になったのは
琴葉の頬がほんのりと紅く



照れたような仕草をとるのに驚いた




『ごめんな、手なんか…』



『いえ。
嬉しいとは、思いました。
昔懐かしいと感じましたし』



玄関のライトが琴葉を照らしていて
ニコッと無邪気に笑う



ドキッとして
正直"見とれた"という言葉が脳裏に浮かぶ



また、変な感情が感じとれた



『では、また明日。
お気をつけて』



丁寧な礼をし、一度手を振り家の中へ入っていった



俺は、『じゃぁなっ』と、誰もいない玄関に言う





上を見上げると
さっき明るかった空がもう真っ暗になって

星が転々と輝いている


『さぁ、帰るか』



タバコを取り出して火をつける





タバコのせいで前がぼんやりとしか見えない
俺の昔は麗奈をぼんやりとしか見ていなかったんだ




それは、確実で。
恋愛対象外



いまは。



ああ…俺は、
昔から出会った小さいころから琴葉に恋していたんだ。




俺は、いま恋にうぬぼれている
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