生徒会長の言う通り
今年は今年で面倒だ


私は2年徒競走に出なくてはならない。



いつの間にか時間は過ぎていて集合時間に間に合わなくなってしまう


急がないと



早歩きで集合場所へ向かう




『ほらー、早く並べ~。』


聞き慣れた声が耳をくすぐる


ドキッとしてしまって


上げていた顔が不自然に下がる



目が合わせられないんだ



『…』


私はそーっと、自分の列に並び順番を待つ


早く終わらないかと思ってしまう。


昨日の事が頭に焼き付いて忘れられない。


手を繋いだ感覚が今でも残って。
蘇る


手を繋いだ温もり、なにもかも



『はい、次の人~』



はっ!
私だ…。
ついにきた。私の番



私の列の人が走り出すことになって
自らのレース地点につく


『白の線に出んなよー。』


自然になっている翔太を見て
気にしてないんだって私は心の中で思ってしまった





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