キミが幸せに。
小さくため息を吐いた時、奈津美が「あっ」と声を上げた。
「見て!!湊太君がこっち見てる。ていうか、梨子を見てるわ」
「え……?」
顔を上げて校庭に視線を走らせる。
ほぼ正面の位置に湊太が立っていた。
目が合うと、ブンブンっと右手を振ってニッと子供のように笑う湊太。
「湊太君、誰に手振ってるんだろう……」
「何かこっち見てない?」
「嘘!!ヤバくない!?超カッコいい!!」
女子達が色めき立つ。