キミが幸せに。

休日も練習試合などで忙しいのに、終わってからあたしをデートに誘ってくれた。


ファミレスでご飯を食べて、映画を見て。


でも、疲れているのか湊太は映画中何度もうたた寝していた。


『映画、すげぇ楽しかったな!!また見ような』


疲れているはずなのに、湊太はそう言って笑った。


湊太は隠しきれていると思っていたみたいだけど、あたしは気付いていた。


湊太は明らかに無理をしている。



ごめんね、湊太。


疲れてるのに、無理させちゃってるよね……?


湊太はあたしに気持ちが伝わるように一生懸命だった。


あたしが過去に裏切られて傷付いたことを知っているからこそ、湊太はあたしが傷付かないように寂しくないようにって考えてくれている。


でも、それが湊太にとって負担になっているのは間違いない。


どうしたらいいんだろう。


あたしにできることは何だろう……。


そんなことを最近毎日考えている。


「まっ、これからも仲良くやりなよ~?応援してるから」


「……うん。ありがとう」


奈津美の言葉にもすぐにうなづくことができなかった。

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