キミが幸せに。

「おい、湊太!!集合かかってんぞ!!またコーチに怒られんぞ?」


「……――わかった。今行く!!ごめんな、梨子。また連絡するから。ゆっくり休めよ」


「ありがとう、湊太」


電話を切ると、スマホをギュッと握りしめる。


ごめんね、湊太。


あたし、湊太にたくさんの嘘ついちゃったね。


何だか胸が痛くてあたしはキュッと唇を噛みしめた。


いつまでもこの状態のままにしておくわけにはいかない。


ミサンガを渡すとき、ちゃんと今思っている気持ちを伝えよう。


無理をしないでって。


あたしはちゃんと湊太を信じているからって伝えるんだ。
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