キミが幸せに。
『俺、桐谷が好きなんだ。付き合ってくれないかな?』
中3の夏、突然同じクラスの野木シュウから告白された。
あまりにも唐突なことに面食らっているあたしにシュウは言った。
『少し考えてもいいから。俺、絶対桐谷のこと大切にするからさ』
少し照れくさそうに言うシュウの言葉に胸が高鳴った。
今まで誰かに『好き』とか『大切にする』なんて言われたこともなかった。
返事は保留にしたものの、その日からシュウのことを意識するようになった。
『おはよう、桐谷』と笑顔で声を掛けられる度にドキドキしたし、どこにいても何をしていてもシュウのことが気になって仕方なかった。
友達に話すと、『野木君に告られたの!?マジで!?超羨ましい!!絶対付き合いなよ!!』と背中を押された。
結局、告られた日から3日後にシュウと付き合うことになった。