キミが幸せに。

でも、あの時のあたしには付き合うっていうことがどういうことかよくわかっていなかった。


同じクラスだし顔を合わせればもちろんしゃべる。


放課後、時間があえば一緒に帰ることもある。


だけど、友達という延長線からあたし達の関係がずれることはなかった。


その時は付き合うっていっても何の変化もないんだなって軽く考えていた。


でも、違った。


シュウがあたしと付き合ったのはあたしが好きだったからではなかったんだから……。


付き合ってから一か月が経った頃、忘れ物を取りに教室に戻ると中にはシュウと仲の良い数人の男子がいた。


何故か手を叩いて楽しそうに喋るシュウとその友達。


あたしは思わず教室の扉に身を隠した。


< 5 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop