キミが幸せに。
「つーか、男と付き合うのって俺が初めてだったみたいでさ。何かそういう雰囲気にさせてくんないんだよね」
「でも、負けは負けだぞ~?じゃあ、俺の勝ちってことで千円な!!」
「はいはい。分かったよ。払えばいいんだろ、払えば。つーか、お前らの方が付き合ってからの期間が長いしズルくね?」
「いやいや、それを言いだしたらきりないだろ!!そんなに悔しかったら、また何か賭けるか?今度は何にする?」
教室から届く騒ぎ声が徐々に遠くなる。
シュウは……あたしを好きになって告白してきたわけじゃないんだ。
友達同士と賭けをしていただけ。
どっちが先にキスできるかって。
あたしはシュウとその友達の賭けの対象にされ、笑い者にされてたんだ。