キミが幸せに。
告白
湊太に告白されてから一週間が経った。
湊太はあの日以来も普段と変わらない様子で接してくれる。
ごめんね、湊太。
あたしは心の中で湊太に謝った。
あたしね、怖いんだ。
信じて、期待して、心を弾ませて……――
また裏切られるのが怖い。
中学の時のように……。
『好き』とか『大切にする』って言うのは簡単。
だけど、それは目に見えるものじゃない。
相手がそんなことをこれっぽっちも思っていなくても、言葉にできる。
不確かな物が今のあたしには怖くてたまらない。
もう二度と、あんな思いはしたくない。
5限の体育。
男女に別れて来月行われる予定の球技大会の練習をする。
男子が校庭でサッカーをしている間、女子は校庭の隅っこに座りおしゃべりに花を咲かせた。
「で、梨子ってば湊太君と何かあったんでしょ?あたしに話してみなよ」
「えっ?」
「何か今日ずっと変だもん。隠そうとしてもムダだからね~?」
中学時代から仲良しの奈津美に問い詰められて、あたしはこの間の出来事を話した。
「ホントに!?ていうことは、梨子と湊太君ってば両想いなんじゃん!!」
「そうなのかなぁ……」
「何?もしかして、まだ中三の時のこと引きずってんの?」
「まだ忘れられないよ……――。だって……」
あたしは膝を抱え込んだ。
シュウとは高校も同じだった。
ジャージ姿でボールを追うシュウの姿が嫌でも目に飛び込んでくる。