Lunar Eclipse
「わっっ!!」
ひぃっっ。
誰かに後ろから驚かされて、
肩が一瞬にしてビクッと上に上がる。
び、びっくりした...。
「えへへぇ、びっくりした??」
後ろから覗きこんでくる
派手目な美人顔は、
おなじ班の浜崎さん。
私は無視するのも忘れて
ただただ唖然とする。
急に何?
何で私みたいな人に関わるんだろう。
まだ私は空気になりきれて
いないのかもしれない。
「いやぁ、いい所だねぇ、ここは。
私コンビニがない所とかマジで
あり得ないわぁ~~って思ってたけど、
そんなことないね。
あっ。別にコンビニがないと生きてけない
とかそういうんじゃなくて、
これただの隠喩だからね。
ほら、家さぁ、おばあちゃん家どっちも
東京だから、田舎とか全然来ないんだよね」
まだ続きそうな浜崎さんの話に
終止符を打ったのは学年のクール美女、
黒木さん。
「わかった。わかったから美羅。
寺坂さんを解放してあげて」