†天使と小悪魔†
耳の中に自然と入って来る、慎の歌声。視線の中にどうしてか入ってしまう、咲の横顔。



忘れられなかった、今も、今も・・・。


俺の中の時間は、進むことを知らない。止まったままの心臓は、今、また動き出してしまった――。



「ねぇ、雅斗くんって今彼女いないの~?」


瑠美ちゃんはあの甘ったるい声で聞いてきた。



「いないよ。」



「好きな人は?」



「みんな過去形。」


それだけ言うと、彼女はつまらなさそうに足を組んだ。



「天使って言われるの、楽しい??」
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