†天使と小悪魔†
「そうだよな。瑠美は俺のものだもんな!」


孝也はうれしそうにあたしの手を握る。それに答えるかのように、あたしは孝也のほほにキスを落とした。




『瑠美は俺のもの。』・・・。




この言葉に違和感を感じながら、あたしは孝也を受け入れる。



静かに心の中に生きるものを、ぎゅうっと奥に押し込めながら。







――――あたしは一粒の涙を流した。
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