†天使と小悪魔†
「ごめんな・・・。つい手が出ちゃたんだ。ごめんな・・・。」



涙でぐしゃぐしゃになったあたしの目に映るのは、やっぱりいつもの孝也だった。




「ううん。あたしのほうこそごめん。もうほかの人と仲良くしないから・・・。」



ほほに涙が伝う。ひりひりとした痛みはまだ続き、あたしの顔は赤くなってしまった。



身体に伝わる孝也の温かさ。あたしはそれを信じたかった。



「今日はひとりで帰る。」


そういい残し、あたしは部室を出た。
< 70 / 95 >

この作品をシェア

pagetop