†天使と小悪魔†
1回、深く呼吸をした。そして、二人を見つめ、


「あたし、雅斗が好き―――。」


そう答えを出した。



それを聞くと孝也はガクッと傾き、静かに部室を出て行った。



あたしはその横顔を見てしまう。一滴、涙が流れているように見えた。




いまもまだ、あたしの瞳には涙があふれている。止まらない、止め方を知らない。



涙なんて人前で見せたことが無かった――。
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