天使が私に落ちてくる
保育園で仲良しの、千紗ちゃんと、繭ちゃん、朋ちゃんが、あたしの声だと気づいて走って来てくれた。
「あっ、司くん!! 」
「おばあちゃん誰、なんでここにいるの? 」
「司くんをどこに連れて行くつもり? 」
保育園児なめんな。
ましてや女の子はオマセだから、天使の人気は絶大なものがある。その天使が誘拐されかかっているとなれば、黙ってるわけがない。
「司くんを放しなさいよ!」
「せんせーゆうかいだよっ」
「みんな、助けてーー」
皆が口々に叫び始めた。
さすがにこの状況はまずいと思ったのか、おばちゃんは天使をつかんでいた手を放して逃げようとした。
とっさにおばちゃんの服をつかむと、天使もおばちゃんの服の袖をつかんでいた。
「謝ってよ!天使を泣かせたんだから!」