天使が私に落ちてくる
天使は泣き虫かもしれないけれど、精一杯ガマンしていた。
体の大きな、知らない大人に捕まえられて、すごく怖い思いをしたはずだ。
それなのに、悪いことをしたのに、謝らないなんてない。
「ごめんなさい、して」
きっと眉を釣り上げたおばちゃんは、どんっとあたしを突き放した。
「そんなこと言うわけないでしょ! 美味しいお菓子を食べさせてあげるって言ったのにバカね! 」
おばちゃんは、本当に自分のことしか考えてない……
それがちょつと悲しくなった。言ってもわからないって、なんだか悲しい。
「ゆいかちゃん! 」