天使が私に落ちてくる


天使は泣き虫かもしれないけれど、精一杯ガマンしていた。


体の大きな、知らない大人に捕まえられて、すごく怖い思いをしたはずだ。


それなのに、悪いことをしたのに、謝らないなんてない。


「ごめんなさい、して」


きっと眉を釣り上げたおばちゃんは、どんっとあたしを突き放した。


「そんなこと言うわけないでしょ! 美味しいお菓子を食べさせてあげるって言ったのにバカね! 」


おばちゃんは、本当に自分のことしか考えてない……


それがちょつと悲しくなった。言ってもわからないって、なんだか悲しい。


「ゆいかちゃん! 」
< 16 / 98 >

この作品をシェア

pagetop