天使が私に落ちてくる


天使が飛んで来て、心配してくれる。


あんなに怖い思いをした天使だって、こんなに優しいのに。


まだ騒いでいる女の子達から逃げるように、おばちゃんは去って行った。


「おばあちゃん退治カンリョー」

「悪いんだーおばあちゃんなんて」

「だってどう見たっておばあちゃんだよ? カワイイ司くんがウラヤましかったんだ!! 」


あたしは自分で立ち上がって、服についた泥を
はたいた。


無言で身繕いをしていると、天使がうるうるの目で、「いたくなかった? 」と聞いてきた。


突き放されたのもショックだったけれど、あのおばちゃんが何を考えているのかわからなくて、怖くなった。


じわりと涙がにじんでくる。


怒っていてわからなかったけれど、やっぱりあたしも怖かった。


今になってそう思う。
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