天使が私に落ちてくる
遠くからでもわかるその人と関わりあいたくないので、天使にも注意を促す。
「コンビニの手前の電信柱のとこに、へんな人がいるからジロジロ見ないで通り過ぎようね」
不審者やストーカー被害が日常茶飯事な天使は、わかったと頷いた。
明らかに怪しい人物は、スルーしてしまうのが一番いい。
「ねえ、学校帰りだよね?」
見ればわかるだろう! と言いたいのを飲み込む。カカワッチャダメ!
「待ってよ。道を教えてもらいたいんだ」
困っているから助けて欲しいだとか、良心に訴えかけないで欲しい。平日の午後、どう見ても働いている時間帯なのに、スーツでも仕事着でもない。
こんな駅から離れた住宅街で、何してるって言うんだ。荷物を届けるとかでもなさそうだ。
「知らない人と話しちゃだめなの」
明らかに迷惑だと匂わせる。