天使が私に落ちてくる
天使のママは、お料理をブログに載せているうちに、有名ブロガーになった人で今では本を出したり、テレビにも出演するほどの人になっている。
お家にお邪魔すると、いつもにこにこ出迎えてくれた。
ぐちゃぐちゃの顔で、気持ちもささくれていたあたしはこんな時は会いたくなかった。できればお仕事でお留守だったらいいなとも思ったけれど、今日は天使と二人というのもつらかった。
玄関に着くと当たり前のように天使はチャイムを鳴らして、天使ママが出迎えてくれる。
「いらっしゃい」の言葉の後には、びっくりした顔であたしを見て、問いただすように天使を見た。
「司、どういうこと? 」
「僕じゃないよ」
ため息をついた天使は、ふてくされていていつもの優しげな様子はなくぶっきらぼうだった。