天使が私に落ちてくる
目線を合わせて、ふんわりと笑う天使ママはずうっと変わらずに綺麗なままだ。初めて会った時から年をとったはずなのに、さらに綺麗になっている。
とってもいい年齢の重ねかたをしている。
「……司くんが悪いわけじゃないの。自分が悲しくなっただけなの……ちっともかわいくないし……」
優しく頭を撫でた指先が、ほっぺたを撫でる。
「そんなことはないわ。私からしたら、結香ちゃんはとってもかわいい。泣いても笑ってもかわいくてたまらない。司もそうよ。結香ちゃんに来て欲しくて結香ちゃんの大好物の苺ムースを私に作らせるくらい、結香ちゃんのことが好きなの」
ふっと二階の天使の部屋を見上げて、口角を上げる。
「だからきっと司も部屋で悔しい思いをしているわ。結香ちゃんを泣かせてしまったことと、守れなかったことで」
「そんなこと……ありません」