天使が私に落ちてくる


あんなに可愛くて、性格もよくて欠点なんてないくらいの天使だから、あたしが守ってあげることは当たり前だから。

だからあたしは天使については不満なんてなかった。


「あれでも男だからプライドもあるのよ。まだ子供だけど、大事なことはわかってるはずだから。結香ちゃんには迷惑をかけてしまうけれど、よろしくね」


優しく背中をなでていた手が、階段を降りてくる天使の足音を聞きつけて離れる。


「司の来る前に用意しておかなくちゃね」


優しい気配を残して、司ママが離れるのといっしょに天使がやってきた。


「まだ結香ちゃんを待たせているの? 」


ポスンとソファーに納まった天使は少し不機嫌だった。


「はいはい、もう出来ます」


生クリームを絞ったお皿をくるりと回して正面をむける。
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