天使が私に落ちてくる


苺ムースは綺麗な三層で、一番上には真っ赤なソースの層、二層目が苺ムース、三層目がクリーム色の層だ。添えられたクリームとミントの緑が鮮やかだ。


「それじゃ試食の感想お願いいたします」


ふざけるように恭しくお皿を差し出すので、威厳をつけて、うむとうなずいた。


始めは苺ムースの部分をすくって口に入れる。鮮やかな赤が見た目にも美味しそう。


「いただきます! 」


パクリと口に入れたら、苺の香りが広がってその後に甘酸っぱくてふんわりしたムースがとろけた。


「美味しい~スッゴいキレイな赤」

「これはね、イチゴでコンフィチュールを作った時に出来たシロップなの」


コンフィチュールは、ジャムとは違い果物の実の形を残して煮るので、煮ている際にはジャムより果汁がでる。砂糖やペクチンを入れることによってその果汁にとろみがつくけれど、思いのほかシロップが多くでて取り分けたそうだ。
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