天使が私に落ちてくる
「今のままじゃダメなんだよ。結香ちゃんの後ろで小さくなって守ってもらってたらダメなんだ」
「だって……似合わない」
ふるふると天使は、頭を振った。
だってまだ天使は、あたしよりも小さくて守ってあげたいくらい可愛いのに。
「僕が強くなって結香ちゃんを守ってあげる」
そう言った天使は、カワイイ男の子ではなくて、男って感じだった。
「司が決めたことだから、結香ちゃんも見守ってあげてね」
天使ママにもそう言われて、天使の決心が固いのがわかった。
仕方なく「いや」という言葉を苺ムースで喉の奥に流しこんだ。
天使が変わってしまうのがイヤ。
それはあたしを置いて天使が変わってしまうことへの不安だった。