天使が私に落ちてくる


そんな時期に、ぼんやりしていたのがいけなかった。


「では推薦ということで、小田さんいいですか? 」

「ふへっ」


突然の学級委員からの名指しにビビって顔をあげると、まわりからにこやかな拍手で迎えられた。

この平々凡々なあたしに何か……


「小田ゴメーン即決だね! 」


斜め前から七海がゴメンネポーズをする。なんだもう無駄にカワイイな。


「頑張れよ小田。借り物競争は得点がいいからな」


クラス担任にまで言われて、はっと気づいた。

黒板にはデカデカと『借り物競争 小田結香』と書いてあった……

いつの間に……


「あ、あたし良いって言ってない……」 
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