天使が私に落ちてくる
天使がこんなに甘えん坊だとは思わなかった。小さい頃は、ママなしでは生きていけないくらい引っ込み思案だったけど、いつの間にか強くなってた。
あの学校帰りの1日が天使を変えた。
守ると決めていたのはあたしのほうで、彼は守られるために存在する清らかな天使だった。
「ずっと結香ちゃんを守るために強くなりたかった。結香ちゃんの陰で守られている自分じゃダメだってわかってた」
距離を置いて見つめる瞳は真剣でキラキラしていた。
「僕が強くなったのは結香ちゃんのため。結香ちゃんを守れるほど強くなるまで、そばに行くことを我慢していたんだ。近づいたら、離せないってわかってたから……」
すりすりと髪に頬ずりしてくる。
「そんな自分に北条さんは気づいたみたいで、彼女から声をかけてくれたんだ」
「……北条七海? 」
「結香は奥手だから、手を貸しましょうかって」