天使が私に落ちてくる
「なんでっ……七海には何にも言ってないのにっ」
「移動教室や朝礼でいつも捜していたからすぐわかったって」
正面から見ることはできなくて、いつもいつも背中を追っていたし、気づかれずに横顔を拝めたらラッキーだって言ってた。
だって天使とは住む世界が違うから。
どうして今まで並んでいられたのか不思議なくらい天使はキラキラしていて、まぶしくて近寄るのが怖かった。
「結香ちゃんが僕を捜してるって知ってたから、図書室裏で日向ぼっこをしていてのに、それも偶然だと思ってた? 」
バレていたのかと、恥ずかしくてこくこくと頷く。
「結香ちゃんが僕を見てくれるなら、僕を好きだって信じられた」
ぎゅっと抱きしめられる。
「結香ちゃんに逃げられないように、学校中に知れ渡るようにしたのにまだ逃げるの? 」