天使が私に落ちてくる


「お待たせしました!」

「ねえ。結香ちゃん時間前でも来てたならこっちに来て。時間きっちりでなくてもいいよね」


ヤバい

それはコンビニの影で天使を見つめてにやついていたのが、バレているってことだよね?

デレデレにやついて『あれ! あの人、あたしの彼氏なんですぅ』と心の中で盛大に叫んでいたのがバレてしまったかのように恥ずかしい。

いや、きっと聞こえてないだろうけれど挙動不審な奴であったことは確かだ。

 
「待たせてゴメンね」

「ううん。結香ちゃんは遅れてないんだからいいんだよ。でも早く来ていたなら、早く会いたかったな」


ズギュンと胸に衝撃が走る。

あーもー天使だわ。破壊力がハンパない。このて天使という生き物は、言葉の中にキューピットの矢でも仕込んでいるんじゃないだろうか。

殺傷力ありすぎ。

ゴメンほんとは、時間どおりなんだからあたしは悪くないけど、とりあえず謝ってみただけなの!
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