オフィスの恋愛事情
「だから、そうじゃなくて、もうちょっと、待って欲しかっただけだと思う」




「訳わかんない」




「男って、そういうとこ、あるの」




「最低」




「でも、あとでフォローするつもりだったし、それに俺は、めったに誰のことも好きにならないから、みなおがあんなにあっさり俺を切るって思わなかったし、凄いショックだった。俺は、みなおのことしか好きじゃないから」




「勝手すぎるよ、そんなの、やっぱり悠斗を選んでよかったよ」




そう言って、財布からお金を出そうとした私の手を、碧君はまた握った。




「やめてよ、そういうの。もう無理」
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