オフィスの恋愛事情
「みなおのこと、絶対渡さない。みなおは俺の物だから」




いつも、つかみどころのない碧君が別人みたいに、私に言う。




「私のこと、恋人にしたいの?」




「みなおは俺のいうこと、聞いてればいいの。何も考えるな」




私は、何も答えないで、催眠術に掛かったみたいに、ただ、碧君と歩いた。




ホテル街に付いたとき、碧君は、一番近くのホテルに入った。



無駄な動きもなく、エレベーターに乗ると、突然、私を強く抱いた。



唇は、執拗に私の体液を求める。




碧君に、私の全てが、吸い込まれてしまいそうだ。



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