オフィスの恋愛事情
自宅に帰って、服を着替えてから、碧君と同じ匂いをしている自分が酷く堕落していると思った。




もう一度、シャワーを浴びなおして、謝罪の気持ちから、一番いい服を着た。



悠斗の待つ部屋への道のりは、長かった。早くお詫びに、悠斗を幸せにしたい。




矛盾した自分の気持ちは、まるで、自分じゃないみたいで、怖い。



碧君は、怖い。私の中の、隠れている私を見つけられてしまったんだ。誰かに痛めつけられることでしか、幸せを感じられない、歪んだ私が存在することに、私自身でさえ、今日まで、気が付かなかった。




碧君のような人は、きっと、本能的に、そういうのが分かるのかもしれない。




早く逃げないと、私はどうなってしまうんだろう。









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