オフィスの恋愛事情
朝、誰かのこげ茶の髪の毛が、もっさりと私の枕の上に乗っているのを見て、びっくりして、飛び起きた。



「だ、誰?」



叫んだ私の声に反応して、目を覚ました彼、大路碧。



のんびりあくびをして、上半身を起こした。



綺麗な腹筋が眼に入る。




「大路君?」



と、呼びかけるとともに、昨晩の記憶が蘇ってきた。




大路碧のやわらかい唇の感触も。



「みなおちゃん、おはよう。いやー。酔っ払っちゃって、そのまま、ベッド借りちゃったよ。ありがとう」



何事もなかったような顔で、大路君は私に笑いかけた。



「シャワー、借りていい?」



そう言って、立ち上がった彼は、アヒル柄のボクサーショーツをはいていた。

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