オフィスの恋愛事情
そう言って、碧君は、私の首筋にキスをした。




「今日は、今日は、しないからね」




碧君は、首をかしげて、色っぽく、私を見た。




「そんなことしても、今日はだめ。私は彼氏、いるんだからね」




「知ってるよ、だから、ご飯で釣ろうと思って、色々買ってきたの」




にこにこしながら、テーブルにご飯を並べた碧君は、ワイングラスを、出すように、私に頼んだ。




「あ、これ、会社の近くのデパ地下で売ってる、中華サラダとバンバンジーだ」



人気でいつも売り切れてるのだ。両方とも。




「早く、たべよ」




甘い顔をして、碧君がせかした。



ワインで乾杯して、ご飯を食べた。





友達みたい。このまま、友達に戻ろう。この間の碧君は、変態仮面がやってきただけだったのよ。



私は、自分に言い聞かせた。


< 116 / 209 >

この作品をシェア

pagetop