オフィスの恋愛事情
「私は、私は、今は悠斗のこと、本当に、本当に好きなの。優しくて、しっかりしてるのに、私には、舌足らずで喋るとことか、凄い可愛いって思ってる。傷つけたくないんだ。だから、もう、碧君とは、会いたくない。悠斗に話すなら、それでもいいよ。私が悪いんだもん、責任は取るよ」




私は、振り向いて、碧君をまっすぐに見た。




「俺、初恋だったのに」




「自分が悪いんじゃない、大事なものは、すぐに契約しないと、売り切れちゃうんだよ」





「なんか、映画でも見る?」




「話、聞いてる?」




「お腹、すいた?」




「今、食べたところじゃない」




碧君は、ポケットに手を突っ込んだ。



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