オフィスの恋愛事情
ベルを鳴らすと、悠斗がすぐ、ドアを開けてくれた。



悠斗は、まったく嬉しそうではなくて、どこか、ばつが悪そうな顔をしている。



とっさに、悲しみが私を襲った。




何か、何か、変だ。悠斗。




「久しぶり、みなお。あがって」




「そうだね、悠斗は、元気にしてた?」





「忙しいよ、でもまあ、充実してるかな。仕事、好きだからさ」



ようやく見せた笑顔の理由が、私とは関係ないところにあると思うと、がっかりした。
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