オフィスの恋愛事情

ああ、世界の終わりって、こういうのを、言うんだ。



私の思い通りにはならない世界が、今では私の前に拡がっていた。




そこかしこに吹き乱れる桜の花びらが、満月に照らされて、ただただ、綺麗だった。




「いやだよ、いやだよ、悠斗。私、別れたくない。悠斗がいなくなったら、私どうやって週末過ごしたらいいの？お願いだから、そんなこと、言わないで」




すがる私に、困り顔の悠斗。




「私、悠斗いやだ。お願い、捨てないで。もう二度と、うざいこと、言わないから。気に障ること、絶対言わないようにするから、お願いだから、別れないで」



大粒の涙が止まらなくなった。悠斗のいない世界なんて、今さらありえない。そんなこと、絶対にだめだ。