オフィスの恋愛事情
結局、はっきりした別れの理由を言わなかった悠斗。




その後、彼女が出来たという話は聞かないけど、元気にしているようだ。



たまに話すときは、私たちがどうこうよりも、周りの視線を感じて、嫌だ。



おじさんも、おばさんも、皆、そういうゴシップ好きだからなあ。


今では、結構平気で喋る。仕事の範囲だけだけど。



悠斗、いや、神宮寺さんも、平然としてる。時には、愛想笑いまでする。




でも、プライベートとは違う笑顔。卒の無い、余裕のある、営業スマイル。



甘えたような、あの顔は、この会社では、私しか、知らないんだ。



そして、その顔を、私にみせることは、もう、無い。





< 152 / 209 >

この作品をシェア

pagetop