オフィスの恋愛事情
目を覚ますと、そこはタクシーの中。




どうやら、終電を逃したらしい。



身体を動かそうとすると、隣に気配を感じた。



はっとして、顔を上げると、隣には、眠そうな顔をした、碧君がいた。




あれ、デジャブ?




朦朧とした頭で、ためしに碧君の手を抓ってみた。





「い、いってー。なにすんの?」





「あ、あれ、夢かと思って」





「だったら、自分の手、抓ってよ、みなお」



久しぶりに、名前を呼び捨てにされて、あっという間に、1年前に戻った気分がした。





「やだなんか、一年ぶりくらいの、シチュエーション?」
< 165 / 209 >

この作品をシェア

pagetop