オフィスの恋愛事情
「俺は、いいの。それに、皆、浮いた話あるのに、俺だけ何もないと、ちょっと寂しかったの」




「やっだー、妹使って、見栄張ったんだ」





「うるさい」




そう言って、碧君は、私の首に腕を回して、抱きしめた。




碧君の胸に、顔をうずめてから、私はそっと、上目使いに、碧君を見た。




少し、赤い顔で、目が潤んでる。




キスする変わりに、碧君は言った。




「だから、俺のこと、どうするの?」




「碧君?」




「うやむやなまま、キスとか、もうしたくないから」




「私も、もうそういうの、いやだよ」
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