オフィスの恋愛事情

「こ、これでも、勇気をだして、誘ってるんだけどな。駄目かな?」



すがるような目にびっくりして、神宮寺さんを見返した。




「言っておくけど、これ、デートの誘いだから」



神宮寺さんは、続けた。



「今夜、良かったら、出掛けませんか?僕は定時で帰れるので」



嘘ばっかりだ、いつも彼が残業してるのくらい、私だって知ってる。ちょっと、嬉しい。




思わず、はい、と頷いてしまったら、神宮寺さんは、はあーっとため息をついた。




「よかったー、断られたら、これから気まずくなるって思ったけど、今しかチャンスないって思ったから」



神宮寺さんのいつもと違った一面に、びっくりしたけど、可愛い。





< 27 / 209 >

この作品をシェア

pagetop