オフィスの恋愛事情
「こ、これでも、勇気をだして、誘ってるんだけどな。駄目かな?」
すがるような目にびっくりして、神宮寺さんを見返した。
「言っておくけど、これ、デートの誘いだから」
神宮寺さんは、続けた。
「今夜、良かったら、出掛けませんか?僕は定時で帰れるので」
嘘ばっかりだ、いつも彼が残業してるのくらい、私だって知ってる。ちょっと、嬉しい。
思わず、はい、と頷いてしまったら、神宮寺さんは、はあーっとため息をついた。
「よかったー、断られたら、これから気まずくなるって思ったけど、今しかチャンスないって思ったから」
神宮寺さんのいつもと違った一面に、びっくりしたけど、可愛い。