オフィスの恋愛事情

「元気だったよ、今日みなおちゃんに会えるって聞いてたから、この一週間、それだけを楽しみに生きてたよ」


うそ臭い台詞とともに、大路碧は笑顔を向けた。


そういう人だと知っているのに、どうも、慣れなくて、何て返していいか、考えちゃうんだよね、私。



「ははは、嘘ばっかり」



「嘘じゃないもん」


それだけ言って、さっさと奥のほうの空いてる席に移動する大路碧。



良かった、遠くに行ってくれた。



私の目当ては、みさちゃんと、さきちゃんという、同期で一番仲のいい、女子たちだからね。



同期の男の子たちは、悪いけど、恋愛対象外だな。男同士で訳のわかんない格闘技の話とかしちゃって、ばっかみたいだし、いい男もいないものね。