オフィスの恋愛事情
ちょっと寒そうな碧くん。



私たちの街は海沿いだから、夜は風が強い。



お礼を言って、ケーキを受け取った。




「あ、あれ、さっき、メールくれたのって、もしかして、うちに来てたの?」




「ケーキ買ったとこだった」




「なんで?」



「会いたかった」




「え?」



「だから、みなおに会いたかったの」



碧くんは、思いつめたように、私を見つめてから、笑った。




「俺、みなおの同僚でいられる自信、ないや」




「どうして?」



半分、答えは分かっていたけど、聞いた。




「さあ、みなおが可愛いからかな?」





ぷっと笑ってしまった。碧君に似合わないんだもん。困った顔してた。





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