オフィスの恋愛事情
「でも俺、待ち合わせ、好きなんだよね、なんか、デートって感じがして。先にきてた彼女のお洒落した格好とか、メイクとか見て、あー、俺の為にこんなにしてくれたのね、とか思うの」




「へーえ、碧君ったら、そんなこと、思ってくれたの?」



ちょっとキュウンとして、碧君を見つめた。




「へ、今日?みなお、いつもと変わらないじゃん、ていうか、すごいカジュアル」




「そ、それは、動物園だから、歩き回るからでしょ」




「うそうそ、からかっただけ。髪、可愛いよ」


碧君は、私の肩を抱いた。



私は、ちょっとくすぐったいような、暖かい感触を感じて、ドキドキしながら、歩き出した。
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