オフィスの恋愛事情
「おっそいなぁ、みなお、おいてっちゃうよ」



そう言って、碧君は、私に手を差し出した。



顔に似合わず、ちょっと角ばった、男らしい手。握ったら、冷たくて気持ちいい。



「何赤くなってるのー?恥ずかしいの?」



私は、からかってくる碧君に、頭にきて、手を離そうとした。



「駄目、みなおは俺のものだから」



涼しい顔で言うなあ。そんなことを思いながら、ミーアキャットの展示に向かった。



あ、碧君、口説きモードになってきてる?さっきから、調子はドウダイ、みたいな変な顔で私を見たりするし。


でも、あの流し目!反則だよ。なんでそんなに色っぽいねん。




これは、碧君、一発逆転か??









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