オフィスの恋愛事情
水族館を出た頃には、外は薄暗くなっていた。



「山田さん、寒い?」



神宮寺さんは、優しく、私に聞いた。




「ううん、大丈夫だよ、神宮寺さん」



お洒落して、ロングブーツにミニスカート、トップはネイビーのジャケットを着た私は、ちょっと寒そうに見えるかも。




駐車場までの道、神宮寺さんは、そっと私の手を取った。



ちょっと、照れてしまう。


暖かい手だ。



でも、嫌な気は、しない。




「ねーえ」



どこか、宇宙と交信でもするように、上を向いたと思ったら、神宮寺さんは言った。



「みなおちゃんって呼んでも、いい?なんか、山田さんじゃ、他人行儀って言うか」










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