オフィスの恋愛事情
「もちろん、みなおでいいよ」



「ホント?じゃあ、俺のことも、悠斗でいいよ」




「なんか、照れるな」



「だね」



悠斗は、私の手を繋いだまま、もう一つの手で、髪をなでるしぐさをした。耳に掛けた髪の毛が、かわいい。




「あーあ、なんか、今日、すっごい楽しいんだけど」




「え、それって、水族館が、それとも、私?」



「みなおとこうして、会社の外で会えるようになったのが、嬉しい」



にこっと笑いかけた悠斗は、車の助手席のドアを開けた。




「はい、どうぞ」



「ありがとう」



テンションが上がって、何だかお腹がすいてきた。



「レストラン、予約してあるんだ」

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