オフィスの恋愛事情
信号待ちのたびに、私の方に顔を向けて、愛しそうに私を眺める悠斗。



いつの間に、こんなに好かれてたんだ。



「悠斗、一つ、聞いてもいい?」



「え、なになに、なんか、怖いな」




「大したことじゃ、ないから、大丈夫だよ」




「いいよ、何でも聞いてよ」



悠斗は、微笑んだ。




「ねえ、悠斗、悠斗は、いつから私のこと、気に入ってたの?」



ぽかんとした顔をした悠斗は、指を少し、唇につけて、ちょっと考えていた。




「気に入ってたって言うと、なんか違うかな。一年くらい前から、みなおが、エクスペンスリポートの担当になって、俺たち、たまに仕事で話すように、なったでしょ」
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