オフィスの恋愛事情
ふと、気が付くと、私はタクシーの中にいた。



隣には大路碧。




ああ、そうだ、私たちは家の方向、一緒だもんね。今までの飲み会でも、たまに一緒に終電で帰ったから、知ってる。



大路碧は、私の頬をぷにぷにと撫でていた。



「なにやってんの、この人。なれなれしー」



「ははは、みなおちゃん、肌綺麗だよねー」



あっかい顔で、赤ちゃんのように笑う大路くんも、私に負けず劣らず酔っ払っている。



「みどりんのほうが、肌ぴちぴちしてるよ」



そっと触れた大路碧の首筋は、艶やかだった。



あ、あれ、なんか、気持ちいい。




人肌って、こんなに恋しいものだったのね。

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