オフィスの恋愛事情
「いや、私くらいの年の、いい女は、同時に何人もに、言い寄られているものなのよ」



月見うどんを食べながら、碧君の顔色を伺った。




「そんなこと、言ってくれなきゃわからないし」




「他に誰かいるなら、もったいないから、俺がもらったのにって言うの?女は物じゃないよ」




食べ終わって、箸を置いた。




碧君は、うつむいて、今にも泣きそうだ。




「そんな顔しないでよ、私は、碧君のこと、好きだったよ。でも、駄目だったから、新しい恋を見つけたの」



碧君は、急に怖い顔をした。




「今夜、この間の同期会のあった飲み屋に来て」




「駄目だよ、デートあるし」
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